総選挙公示 ― 2012年12月04日 07:10

今日、第46回衆議院総選挙立候補者が公示された。 480の議席を12政党
から立候補した約1500人の候補者達が争う。前回で懲りたせいか既成政党は
今回に於いてはあまりマニフェストを全面に押し出さない。各党とも主張すべき事
が明確に集約できないまま、選挙戦に突入した。
それでも我々は、冷静に彼等の魂胆を見定めて峻別しなければならない。中で
も原発問題、TTP問題、外交問題(とりわけ対中国)の3つについては明確なスタ
ンスを示してもらわねばならない。
マスコミの偏った報道により日本が次第に右傾化してゆくことが憂慮される。勇
ましい発言で国民の愛国心を煽り、言論や行動を次第に制限してゆく。 太平洋
戦争へと突入したあの時の臭いがかすかに漂っていることに気づき、これを何と
しても制止しなければならない。
ジジィが決めて、オヤジが命令し、若者が死んでゆく、これが戦争である。我が
身の保身しか考えない政治家が決めて、自所の権益しか頭にない官僚が執行し
一般庶民が泣いている。 この日本の現状を改めるのは、われわれ一人ひとりの
良識有る一票であり、平和を希求する国民の義務である。
「典故300則」その100 ― 2012年12月05日 18:18

最高、究極、ナンバーワン、どれも賞賛の言葉である。今日のキーワード
は“観止”、日本語では“見納め”というところだが、これが中国語では・・・。
典故300則その100:观止 guan zhi
春秋時代、呉の公子季札は斉、魯、鄭、衛、晋など多くの列国で仕事を
したことがあり、見識が広かった。
ある時、彼は魯の国で周の音曲《韶箭》を鑑賞して言った。“この音曲は
本当に素晴らしく、最高だ。その広がりは、まるで天のようで全てのものを
覆い尽くし、また大地のようにどんな物でもその上に載せることができる。
この音曲を聴いたら、もう他の音曲は聴きたいと思わない。”
“观止”の本来の意味は其処を見たら、もう他を見たいと思わないこと。
今では“观止”は非の打ち処のない(尽善尽美)その種の中で他の追随を
許さないものを賞賛する言葉に用いる。
「典故300則」その101 ― 2012年12月06日 09:20

今日の主人公は、あの大漢帝国を築いた高祖劉邦の名参謀となった張良。
彼が始皇帝暗殺を企て、これに失敗し下邳に隠遁していた頃の話である。
典故300則その101:观止 guan zhi
秦朝末期、張良という名の若者が下邳の橋の上で閑を持て余していた時、
一人の老人が彼の近くを通りかかり、わざと草履を橋の下に投げた。そして
張良に言った。 “若者よ、下へ行って草履を持って来なさい!”張良は吃驚
して、本当は彼を殴りたいと思ったが、彼がお年寄りだったので我慢して怒り
を抑え橋の下へ行き彼のために草履を持ってきた。
老人は言った。“私にその草履を履かせなさい!” 張良は既に草履を持っ
てきた、ならば履かせてあげようと考えた。そこで地面に跪いて老人に草履を
履かせてやった。老人は笑いながら去って行った。この老人は、実は黄石公
という隠遁者で、後に彼は《太公兵法》を張良に送った者である。
“履”は靴のこと。後に“跪履”、“纳履”、“进履”は老人を敬い、謙虚に教え
を請う気持ちを表す。
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