「典故300則」その972012年12月01日 09:39


 今日のテーマは“羊頭狗肉”、この言葉の裏に、まさか国主のコスプレ趣味

があったとは・・・。

 典故300則その97:挂羊头卖狗肉 gua yang tou mai gou rou

 春秋時代、斉灵公は女性に男装させるのが好みだったで国中の女性は皆

男装した。斉灵公はこの様な事をするのは、とても体裁が悪いと感じ、すぐに

女性の男装を禁止し、併せて厳しく説いた。 “誰であろうと、男装をした者は

は、その衣服を引き裂き、彼女らに醜態を晒させる。”

 だが、たとえこの様になっても、女性達は相変わらず、男装していた。灵公

は晏子にこれはどういうことだと問うた。晏子は言った。“君主は内では男装

をさせ、外では是を禁じており、牛の首を門に掛け、内では馬肉を売ることと

同じです。公何以不使内而服,则外莫敢为也。” その意味は、“もしも公が

宮廷内の女性にも男装を禁じれば、外の女性も自然としなくなります。”灵公

が晏子の言うようにすると、案の定一月後には女性達は皆男装しなくなった。

 以来、“挂牛头卖马肉”は変化して“挂羊头卖狗肉”となり、実態とそぐわな

いことの喩えとなった。

「典故300則」その982012年12月02日 09:15


 今日の主役は冤罪と怨念が生み出した奇っ怪な虫、世界中至る所に生息

しているが、冤罪を課した為政者にしか見えない。

 典故300則その98:怪哉 guai zai

 人々は奇怪なものを表現する時、“怪哉”という言葉を使っているが、実は

“怪哉”とは牢獄の地下に住む小さな虫のことである。聞く処に寄れば、当時

漢の武帝が馬道で赤い小さな虫を見かけた。この虫は頭や鼻、歯や耳が生

えていた。武帝は知らなかったので东方朔にこの虫は何と呼ぶのか聞いた。

 东方朔は答えた。 “この虫は怪哉と呼び、怒りが変化したものです。以前、

役所は罪もない人を捕らえていたので、いつも民は恨んでおり天に向かって

おかしい、おかしい(怪哉呀,怪哉呀)と叫んでいました。”

 东方朔はさらに続けた。“ここには怪哉がおり、ここは以前秦朝の監獄でし

た。”武帝が地図を探して調べて見ると、やはりその通りであった。

「典故300則」その992012年12月03日 08:01


 賄賂によって成り立つ国中国、中国人の方が日本に住んで最初に驚くことは

役所に行って住民登録をするのに賄賂がいらないことだそうである。中国では

役所や病院など、公的サービスを受けるには賄賂は欠かせない。中国四千年

の歴史はそのまま賄賂の歴史でもある。

 典故300則その99:打通关节 da tong guan jie

 元载は唐の肃宗と代宗の二代に渡って宰相を勤めた。 代宗の時、宦官の

鱼朝恩が専横跋扈しており、元载は代宗を助けて鱼朝恩を殺した。鱼朝恩の

死後、载公(元载)もまた専横をし始めた。

 彼は法を無視し、専ら不正な事をやっていた。 もし誰かが朝廷に参内したけ

れば、まず金銀宝玉を彼に送らなければならなかった。 元载には寵姫がおり

名を薛瑶英と呼んだ。彼の父母と兄は走馬燈のように瑶英の住まいを出入りし

儀礼的に貢物を送り続け、人々は彼らを“关节”と呼んだ。

 载公は彼らの求めには必ず応じた。官職に就きたいと思う人々は、彼に貢物

をしなければ成らないが、貢ぎ物をするには先ず关节を通る必要があった。

 後に“关节”はいろいろな問題のキーに喩えられ“打通关节”は目的を達成す

るために、鍵となる人物に賄賂を送ることの喩えとして用いられている。