「典故300則」その1172012年12月23日 08:18


 今日の言葉は“草を結ぶ”。日本では、旅の安全を祈って草を結んだ古代の

習俗から、旅で野宿することを意味するが、中国では別の意味があるようです。

 典故300則その117:结草 jie cao

 春秋時代、晋の魏武子に一人の妾妻がおり、彼は彼女をとても寵愛していた。

魏武子が病の時、息子の魏颗に言った。“俺が死んだら彼女を嫁に出してくれ”

何日か後、魏武子の病状が悪化し、彼はまた魏颗に言った。“俺が死んだら私

の為に殉死するよう彼女を呼べ。”

 魏武子が死んだ。 魏颗は言った。“父は病が重い時は意識朦朧としていたの

で、私は彼の意識がある時の話に従います。” そこで父の妾妻を嫁がせた。

 その後、魏颗が辅氏という処で、秦軍と交戦した。秦軍の怪力杜回が突撃して

きた。魏颗は一人の老人が草で編み上げた障害物を見つけ、杜回を遮り晋軍の

将である杜回を捕らえた。 その夜、魏颗はその老人の夢を見た。“私は貴方が

が嫁がせてくれた娘の父で、あなたが娘の命を救ってくれたので、私は恩返しを

したのです。”

 後に“结草”は恩を受けた人の、心からの報いを喩える。