「典故300則」その115 ― 2012年12月21日 20:55

今日のテーマは“鶏のあばら骨”、果たしてどんな意味があるのか。曹操は
この、あばらを捨てたことにより、劉備に“漢中王”を名乗られ、その名の大き
さに大いに悩まされることになる。
典故300則その115:鸡肋 ji lei
三国時代、曹操は劉備を討つために漢中に出兵した。 劉備は険要な地に
布陣して守っており、形勢は曹軍に不利であった。 曹操は進退窮まり途方に
暮れていた。 丁度その時、軍の伝令が指示を仰ぎに来た。曹操は出任せに
言った。“鸡肋(ニワトリの肋骨)。”主簿の杨修はこの伝令を聞き急いで荷物
をまとめ、撤退の準備をした。
他の者が訝しく思い彼にどうして曹操の気持ちが解ったのかを聞いた。杨修
は言った。“あなたたちは肉がなくなった鶏のあばら骨を囓っている時、捨てる
には少々惜しいと思うでしょう。漢中の地は鸡肋だと思いませんか?
だから私は曹丞相が撤兵すべしと考えていると解ったのです。”果たして間
もなく曹操は漢中から撤退した。
この故事から、後に“鸡肋”は捨てるには惜しいが、とっておいても大して役
に立たない物を喩えるようになった。
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