「典故300則」その1132012年12月19日 22:17


 今日のテーマは“灰心”、“石心”は石のように堅くて挫けない心、“赤心”は嘘

いつわりのない心、では灰の心とはどんな意味があるのだろうか。

 典故300則その113:灰心 hui xin

 戦国時代、楚の国に南郭子綦という人がいた。ある日、彼は小さな机にもたれ

ながら座り、天に向かって大きく溜息をついて、その姿はとても沈鬱であった。

弟子の顔成子游が彼の前に来て師の様子を見て言った。“形固可使如槁木,而

心固可使如死灰乎?” その意味は“師の身体は固まった枯れ木のようで、心も

冷たくなった灰のように静かですね。”

 此処での“灰心”とは、灰のように意識が停止した状態を言い、以来“灰心”は

自信喪失や意気消沈したことの喩えになった。