兵・食・信2012年12月17日 09:32


 自民圧勝であった。手を取り合って勝利を喜ぶ阿部総裁と石破幹事長だが、

阿部さんの表情がなぜか硬い。石破幹事長も“ご苦労さん、今の難局はお前

には無理だ、すぐに交代させてやるよ。”といった腹の中を想像させる表情で

ある。

 論語の中に「兵・食・信」の話が出てくる。ある時、孔子の弟子である子貢が

政治の要諦をたずねると、孔子は、まず第一に、「食を足し」食生活の充実を

はかってやること、次に「兵を足し」軍備をととのえること、そして「民これを信

ず」民の信頼を得ることで、この兵と食と信の三つが国家存続に必要不可欠

なものであると答えた。

 紀元前500年以上も前に孔子が唱えた国家の要諦は、今も変わらず全世

界に適合している。そして最も大切であるとされている“信”を得られないが為

に内紛が絶えない国や地域が、いかに多いことか。

 震災復興、TTP、対中外交、問題山積である。 政党同士が派閥争いをして

いる時ではない。党派を超えて協力し合い、この難局を乗り越えてゆかねばな

らない今、“信”を以て対立する派閥を結びつけ幕末を駆け抜けた坂本龍馬の

如き人物の登場が渇望される。