「典故300則」その1112012年12月16日 09:15


 今日の主役は岳飛、中国四千年の歴史の中で、あの関羽雲長と並んで祀ら

れる英雄である。 中国ではあまり歴史に興味のない女性達にでさえ、岳飛と

関羽の名はその豪傑談とともに知れ渡っている。

 典故300則その111:黄龙 huang long

 宋の時代、北方民族の金が南進し宋の多くの土地を侵略した。 先ず黄河

流域一帯を、その後淮河長江流域も占領された。宋の皇帝は捉えられ、民の

苦難は深刻であった。朝廷の中では、秦桧が投降派の中心となって国を売り

講和を求めるよう主張し、岳飞が抗戦派の代表となって、断固反対した。

 岳飞は岳家军を率いて金軍を迎え撃ち、敵を叩き徐々に後退させ、岳家军

は連戦連勝し、多くの失地を取り戻した。岳飞が将達に言った。“一気に黄龙

府を落とせば、君たちに心ゆくまで酒を飲ませよう!”黄龙府は金の都であり、

現在の吉林省农安县である。

 以後、人々は“黄龙”を敵の巣窟のことを言い、“痛饮黄龙”,“直捣黄龙”は

敵を制圧する勇気と決意を表す言葉となった。