「典故300則」その110 ― 2012年12月15日 10:58
今日の故事は“怀橘:蜜柑を隠す”、この言葉からどんな物語が想像されます
か? 明日の投票日を控え己の当選しか考えていないという本音を隠し、世の
ため人のためと絶叫を繰り返す候補者達のそらごとが、冬空に虚しく漂う。
典故300則その110:怀橘 huai ju
東漢末期、呉の陆绩が六歳の頃、袁术家を訪問した。袁术は蜜柑で彼をもて
なした。陆绩は蜜柑を三つ懐の中に隠した。袁家を去る際、陆绩がお暇の挨拶
をした時、懐から蜜柑が零れ落ちた。袁术は訝しげに言った。“この子は客に来
て、どうしてこっそり蜜柑を懐に隠したのか?”
陆绩はすぐに跪いて言った。“私は持ち帰って母に食べさせたかったのです。”
袁术は大変感心して言った。 “六つの子供がこんなに親孝行だとは、大きくな
ったらきっと大成するだろう。”
陆绩は、その後高名な学者になり、“怀橘”は親孝行の喩えとなった。
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