「典故300則」その101 ― 2012年12月06日 09:20

今日の主人公は、あの大漢帝国を築いた高祖劉邦の名参謀となった張良。
彼が始皇帝暗殺を企て、これに失敗し下邳に隠遁していた頃の話である。
典故300則その101:观止 guan zhi
秦朝末期、張良という名の若者が下邳の橋の上で閑を持て余していた時、
一人の老人が彼の近くを通りかかり、わざと草履を橋の下に投げた。そして
張良に言った。 “若者よ、下へ行って草履を持って来なさい!”張良は吃驚
して、本当は彼を殴りたいと思ったが、彼がお年寄りだったので我慢して怒り
を抑え橋の下へ行き彼のために草履を持ってきた。
老人は言った。“私にその草履を履かせなさい!” 張良は既に草履を持っ
てきた、ならば履かせてあげようと考えた。そこで地面に跪いて老人に草履を
履かせてやった。老人は笑いながら去って行った。この老人は、実は黄石公
という隠遁者で、後に彼は《太公兵法》を張良に送った者である。
“履”は靴のこと。後に“跪履”、“纳履”、“进履”は老人を敬い、謙虚に教え
を請う気持ちを表す。
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