コムハウス映画会(その3)2005年11月23日 11:38

 ”スティング”といえば、元祖に比べてちょっとマイナー
なイメージの作品ではあるが1992年に制作された
”ミッドナイト・スティング”も、なかなか面白い。ラストの
痛快さは、元祖にも決して引けを取らない。

 主演は、”サルバドル・遙かなる日々”でアカデミー
主演男優賞にノミネートされたジェームス・ウッズで、
こちらは八百長ボクシングで地元の悪党どもから大金を
せしめるという筋書きである。

 監督のマイケル・リッチーは、エディーマーフィーの
”ゴールデンチャイルド”や元祖ダメチームのサクセス
ストーリーを描いた”がんばれベアーズ”、”ワイルド
キャッツ”など、スポ根娯楽作品がお得意のようである。

 ”サルバドル・遙かなる日々”は、1986年の作品
で、社会派監督として名高いオリバーストーンが、内戦
続くエル・サルバドルの実態と、それを支援する米国の
陰謀を訴え、アメリカ国民の良心を問うた意欲作である。

 ほぼ同時期に制作発表され、ベトナム戦争の最前線
の実態を告発した”プラトーン”では、アカデミー作品賞
を獲得している。国益という美名の陰で、数多くの一般
市民が、国家権力により弾圧され無差別に殺戮されて
いるという実情を世界に訴え続けている。

 社会派映画は、どうしても内容的に重くなってしまい
”元気で長生き・・・”を目指すコムハウスの映画会には
少々不向きな気もするが、平和ボケしている我々日本
国民にとって、たまには良い気付け薬として鑑賞すべき
作品であるかも知れない。