「典故300則」その2602013年06月03日 08:32


 今日の主人公は唐の高級官僚にして詩人の“王维”。同時代の李白が“詩仙”、

杜甫が“詩聖”と呼ばれ、そして彼は“詩仏”と称された。

 典故300則その260:阳关三叠 yang guan san die

 “阳关”即ち“阳关曲”、“三叠”とは三度復唱すること。“阳关三叠”とは琴(七弦

琴)の曲で、歌詞は唐代の詩人王维の詩《送元二使安西》であり、全曲は以下の

通り。

 “谓城雨浥轻尘,客舍青青柳色新。劝君更尽一杯酒,西出阳关无故人。”

朝からこの渭城に降っている雨が、黄塵をしっとりうるおしている。今、別れの宴

をはる旅舎の柳の色は、一際めだって緑を増している。これより遠く安西へ旅立

つ君よ、さあ、もう一杯盃を重ねたまえ。ここから西、陽関を出れば、酒を酌み交

わすべき知友もいないだろうから。

 詩の中には、ごく普通の別れの情が描写されており、長い間連綿と人々に歌い

継がれている。

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