三国志に想う2010年11月18日 23:06

 先日の中国旅行の折、三国志の絵本を買ってきた。タイトルは「彩

絵全本三国演義」、出版社は中国書店、240頁前編オールカラーの挿

絵がとても美しい。紙質も良く、ずっしりと重い。もちろん新品である。

青島の八大関景区にある花石楼内の書店で購入したもので定価が

180元の処、150元にまけてくれた。日本円で大体2千円といった処だ

が、ネットで調べてみると何と東京都古書籍商業協同組合のサイトで

10,500円の値がついていた。こんなことなら水滸伝や西遊記もいっしょ

に買ってくれば良かったなどと思っている。

 三国志と言えば中国はもちろん日本でもとても人気のある歴史物語

である。日本では蜀の諸葛亮孔明を主人公とした吉川英治の三国志

が最も有名だが、最近では漫画ではあるがネオ三国志として魏の曹

操猛徳を主人公とした蒼天航路が人気を集めた。また、呉の軍師周瑜

公瑾と曹操が呉を攻めた目的にもなったという絶世の美女小喬にスポ

ットを当てた映画“レッドクリフ”も話題を呼んだ。三国それぞれの視点

からみた三国志である。

 ただ冷静にこの時代を見てみると、実は曹操の一人勝ちというのが

史実から見えてくる。曹操が大敗した赤壁の戦い(208年)の後の213

年のデータによれば、人口比較で魏が2,800万人、呉は約3分の1の

1,060万人、蜀は僅か630万人程度で、兵力では同じく30万人、10万

人、5万人と、その差は歴然である。

 孔明が唱えた天下三分の計の三国鼎立は、単なる弱小国家の脳内

妄想であったと言えるが、三国志が中国で今も人気を得ているのは

中国の庶民も日本人と同じように、弱者にエ-ルを贈る判官贔屓の

ところがあるということなのだろう。